『コトノネ』vol.44 / 発行・株式会社コトノネ生活
あなたのその線引き、必要でしょうか。
「社会をたのしくする障害者メディア」を掲げる季刊発行の冊子『コトノネ』。
特集は「筋肉で、ゆかいな福祉力」。
今号の表紙にも載っている筋肉隆々のいわゆる『マッチョ』なスタッフが働く福祉施設や元力士が運営するデイサービス施設などの取材をメインにまとめられています。
こういった『マッチョ』な方が福祉サービスに従事するのはとても新鮮なことのように思いますが、日々、自己成長(筋トレなどのトレーニング)に励んでいる方と接しているとポジティブなエネルギーが伝播してきそうです。
生きるための基礎研究のパートでは、成蹊大学文学部教授の伊藤昌亮さんが、弱者と強者、マイノリティとマジョリティといった二つの対立軸で論じたコラムが掲載されています。『マイノリティの強者』のことにも触れられていて、普段このテーマについて自分でも少し考えながらモヤモヤとしていたので、言語化されて整理されたように思います。
こうしてこの一冊を読んでみると、物事の“線引き”は本当に無意味だなといつも実感させられます。もっと大らかに寛容に生きていきたい方たちに読んでもらいたい一冊です。
■コトノネグラビア
白黒の世界(松村和彦)
■特集1 筋肉で、ゆかいな福祉力
ちゃんこを食べて、元気に、楽しく(株式会社シリウス)
気は優しくて力持ち。マッチョが働く福祉施設(株式会社ビジョナリー)
■ぶっちゃけインタビュー40
生きるための基礎研究
伊藤昌亮(成蹊大学文学部教授 メディア研究者)
■連載 突撃!となりの農福師3
■連載「協同労働」という生き方4
バーバーズ・ネットワークといっしょに歩こう(登米鱒淵事業所)
■トイレの福祉
■特集2 くう、ねる、しごとする
重度障害を持ちながら働く二人を取材
■連載「女性が導く 農福連携」3
いすみで、つなぐ(ピア宮敷)
■シリーズ障害者の就労事例42
きもの修繕の星(株式会社きものブレイン)
【連載コラムほか】
■ことばを授かる
■あいまいで、たよりない、それをたのしむ 前廣美保
■身障者いがらしみきお いがらしみきお
■里山学 永幡嘉之
■絵話の作法 藏座江美
■新しいフクシの風
■アートが、目ざめる
■南相馬21.5キロ日記 古市貴之
■Cafeそれいゆの窓から 大嶋栄子
■よう来たな みっちゃん 野々村光子
■『のんびる』さんから
■支え、支えられ
■ジャパンフーズプロジェクト