香りの扉、草の椅子 ハーブショップの四季と暮らし / 著者・萩尾エリ子 / 扶桑社
信州・蓼科にある小さなハーブショップ『ハーバルノート』の店主の萩尾エリ子さんのエッセイ集とハーブを使った手立てがまとまった一冊です。
萩尾さんがどういった流れで蓼科という地で『ハーバルノート』がスタートしたのかということにも触れられていて、色々な葛藤や変遷を経て現在のあのハーブたちの楽園が生まれているということを感じられます。
ハーブはまだまだ馴染みのない物なのかもしれませんが、ゆっくりとそして着実にハーブたちと向き合い、自分自身とも向き合っている萩尾さんの眼差しを辿ってみるとハーブを取り入れた暮らしも想像できるのではないでしょうか。
秋の章のハーブの手立てに書かれていた『カリンとマローブルーのシロップ』のレシピは、自分が子供時代に良く喉の風邪を引いたときに母にカリンのシロップとカリンを食べさせられていたなと懐かしさを感じました。(マローブルーは入っておらずなのですが。)本書によると信州ならではの自然を使った養生だったようです。
本書を読んでいると自分の記憶も少し振り返ってみたくなるような感覚になります。
それは萩尾さんの優しく芯のある言葉のひとつひとつに導かれているかのようでした。
この一冊があなたの大事な時間に出会うきっかけになりますように。
【目次】
第一章 冬は野を思い
※冬に紡がれた7本のエッセイと、3つのハーブの活用レシピ、ハーブとアロマテラピーの手だてをご紹介
第二章 春の光を手に受けて
※春に紡がれた7本のエッセイと、3つのハーブの活用レシピ、ハーブとアロマテラピーの手だてをご紹介
第三章 夏を謳う
※夏に紡がれた7本のエッセイと、3つのハーブの活用レシピ、ハーブとアロマテラピーの手だてをご紹介
第四章 秋、愛しき日々は続き
※秋に紡がれた7本のエッセイと、3つのハーブの活用レシピ、ハーブとアロマテラピーの手だてをご紹介
萩尾エリ子
ハーバリスト。ナード・アロマテラピー協会認定アロマ・トレーナー。ハーブとアロマテラピーの専門店、蓼科ハーバルノート・シンプルズ(長野県茅野市:http://www.herbalnote.co.jp/ )主宰。日々をショップという場で過ごし、植物の豊かさを伝えることを喜びとする。
1976年、東京から蓼科に移り住む。園芸、料理、染色、陶芸、クラフトはすべて、八ヶ岳山麓の自然が師。開拓農家の家屋を借りて、ハーブショップ「蓼科ハーバルノート」を開く。'92年から'99年までレストランを併設、オープンキッチンでの優しく美しいランチは多くの人を魅了、庭から、野から、畑から、その日の食材をその日のメニューにし、大切に使うことを基本とする。同時に、十年かけて荒地から3,000坪のオーガニックガーデンを作る。
諏訪中央病院のハーブガーデン・プロデュースとグリーンボランティア(園芸ボランティア)を興し、現在も緩和ケア病棟のボランティアを加え、活動をしている。また、諏訪赤十字病院精神科では園芸作業とアロマケアを中心としたボランティアを行っている。
著書「香りの扉、草の椅子」(地球丸)、「八ヶ岳の食卓」(西海出版)、「ハーブ」「ハーブの図鑑」(池田書店)、監修「ハーブハンドブック」(池田書店)。