ideallife with plants〜人と山 / 植物のおもいで〜13号 / 発行・ideallife(イデアルライフ)
生きもののかをり
生きものの香りで一番身近なものは花だと思います。
けれど信州・上田に移住をしてきて季節の変わり目に空気が香るということにとても敏感になりました。ちょうど今は長く厳しい冬から春に変わる時季。視覚的にもモヤっとしてきていますが、それ以上に空気がとても甘いのです。
それは花の香りではなく、きっと都会で生活している時には遠い場所にあった山から香ってくる香りなのだろうと思います。
春には春の、夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の山の香りがあります。そんなふうにして季節をしっかりと噛み締めたいものです。
さて、ideallife with plantsの13号目のテーマは『人と山 / 植物のおもいで』です。
本号から山で仕事をする三村剛史さんの連載がはじまりました。木を題材に木が誰から彼に受け継がれているのかということに着目し、人と山、自然との関係性を考えていきます。
そして、もう一つのテーマである『植物のおもいで』。
こちらのパートでは、作陶家、活版印刷作家、書店員、ブロガーから“どんぐり拾い名人”まで幅広い方々の植物のおもいでが写真と文章で綴られています。その中で面影 book&craftの店長のおもいでも寄稿させていただいています。
みなさんのおもいでを眺めていると植物っていうものはいいものだなと改めて思わせてくれます。
記憶や思い出もかをりみたいなものです。
さあ、もうすぐ春です。
いきもののかをりに触れてみてください。
<目次>
・序
・新連載/人と山と暮らしと
三村剛史
・植物のおもいで
(11人の皆さまにおはなしをお寄せいただきました)
・連載/わたしには植物だった
NEROLIDOL 猪飼牧子
・連載/草花とわたし
ombrage 原口瞳
・連載/植物で読む万葉集
上代文学研究者 倉住薫
・植物にまつわる本
山
・植物の和菓子
ウメ
・あとがき