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火を焚きなさい―山尾三省の詩のことば

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火を焚きなさい―山尾三省の詩のことば / 著者・山尾三省 / 野草社


『いのちの火。』

この一冊を読んだ時にそんなキーワードが頭に浮かんできました。

詩人の山尾三省さんの詩といくつかの散文によって編纂されています。

縄文の頃から人間が行なってきた『火を焚く』という行為にならって、足元の生活や日常の中での小さな気づき、つまりそれが幸せというものなのでしょうが、実体のないデジタル化が進む世の中だからこそ、そういった実体や実感を伴うものに耳を傾けてみたくなる、そんなきっかけとなる一冊となっています。

山に夕闇がせまる
子供達よ
ほら もう夜が背中まできている
火を焚きなさい
お前達の心残りの遊びをやめて
大昔の心にかえり
火を焚きなさい
(ー『火を焚きなさい』より抜粋)

そういった視点を持った著者が生み出した言葉だからこそ、これらの詩たちは一つの生命体であるかのように生き生きと私たちの心の中に届くのだろうなと感じます。


さあ、みなで火を焚こう。


【目次】


序にかえて

I

火を焚きなさい
漫画 Make the Fire 原作=山尾三省 翻案・作画=nakaban


II

沈黙
日と月
聖老人


III

歌のまこと
夕日
夢起こし ――地域社会原論――
散文 野イチゴ
子供たちへ
三つの金色に光っているもの
サルノコシカケ
月夜
じゃがいも畑で
秋のはじめ その二
食パンの歌 ――太郎に――
夜明けのカフェ・オーレ
ミットクンと雲
草の生えている道
森について
個人的なことがら
おわんどの海
散文 今年の夏は
漫画 山尾三省の詩と歩く 屋久島植物さんぽ 原作=nakaban
ひとつの夏
静かさについて
いろりを焚く その四
桃の木
びろう葉帽子の下で その八――ルイさんに――
びろう葉帽子の下で その十九


IV

山桜
新月
高校入学式
洗濯物
青い花


V

森の家 その四
森の家 その五


VI

山に住んでいると

樹になる
三光鳥
キャベツの時
地蔵 その二
一日暮らし
ゆっくり歩く


VII

夏の朝
神の石
真冬
白木蓮の春


VIII

松の木の木蔭で
ヤマガラ


IX

海辺の生物たち
散文 子供達への遺言・妻への遺言

 

解説 わたしの、根っこのひと 早川ユミ





山尾 三省(やまお さんせい)

1938年、東京・神田に生まれる。早稲田大学文学部西洋哲学科中退。67年、「部族」と称する対抗文化コミューン運動を起こす。73〜74年、インド・ネパールの聖地を1年間巡礼。75年、東京・西荻窪のほびっと村の創立に参加し、無農薬野菜の販売を手がける。77年、家族とともに屋久島の一湊白川山に移住し、耕し、詩作し、祈る暮らしを続ける。2001年8月28日、逝去。

著書『聖老人』『アニミズムという希望』『リグ・ヴェーダの智慧』『南の光のなかで』『原郷への道』『インド巡礼日記』『ネパール巡礼日記』『ここで暮らす楽しみ』『森羅万象の中へ』(以上、野草社)、『法華経の森を歩く』『日月燈明如来の贈りもの』(以上、水書坊)、『ジョーがくれた石』『カミを詠んだ一茶の俳句』(以上、地湧社)ほか。

詩集『びろう葉帽子の下で』『祈り』(以上、野草社)、『新月』『三光鳥』『親和力』(以上、くだかけ社)、『森の家から』(草光舎)、『南無不可思議光仏』(オフィス21)ほか。

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