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八ヶ岳南麓から

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八ヶ岳南麓から / 著者・上野千鶴子 / 山と渓谷社



ローカルと生きる



信州・上田に移住してから早3年が経ち4年目となりました。この場所とは、生まれた場所であり、母の実家つまり祖父母の家があった場所というくらいで、たまの夏休みの帰省で遊びに来るくらいしか縁がなく、周りに頼る人やどんな生活をこれからすれば良いのかも全く分からなかったことが懐かしいと思えるくらい月日の流れというものは早いものです。

ではどのようにローカルに馴染んでいったのかと振り返ってみると、やっぱりその土地でできることを、自分たちの心持ちとしてある種の”遊ぶ感覚”で取り組むことができたからなんだと思います。具体的には、「日本の棚田百選」に選ばれた稲倉の棚田のお手伝いをしたり、祖父母が残してくれた畑で家庭菜園をやってみたり、その場所でないと経験できないことを”遊ぶ感覚”で取り組んでみて自分たちが全力で楽しんでみるということなのです。そうするうちに周りの人たちとの関係性も生まれてきて色々なお話をして学び、肌が馴染んできたのだろうと思っています。

それと忘れてはいけないのは、路面店の実店舗を構えたことでしょう。人に言わせると、入りにくい面構えのようなのですが、それでも思い扉を開けて店内に入ってきてくださる方や常連さんたちもいらっしゃいます。お店の形質的にも自分たちの目で良いと思ったものを集めているので、自己紹介的に捉えてもらっているのかもしれません。改めてありがとうございます。


さて、本書『八ヶ岳南麓から』もそんなローカルでの生活がじんわりと伝わってくるエッセイです。社会学者でもある上野千鶴子さんが山梨の北杜市での山暮らしのリアルが24のトピックで描かれています。

四季の景色や草花を楽しむこと、移住者のコミュニティに参加すること、地産の食べ物を存分に味わうこと、虫との闘いや浄化槽故障など想定外のトラブルに翻弄されること、オンラインで仕事をこなすこと、「終の住処」として医療・介護資源を考えること……。それらが等身大で描かれているので、移り住んだ場所は異なるので置かれている状況は違えど、その心境はとても共感することがたくさんありました。


移住してきた方、これからどこかに移住しようかと思っている方にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。




<目次>

コロナ疎開の山暮らしで
いつのまにか山梨愛に…冬の明るさを求めて
花の季節
ガーデニング派と家庭菜園派
蛍狩り
冷房と暖房
上水と下水
虫との闘い
八ヶ岳鹿事情
夏の超簡単クッキング
ゴミをどうするか?それが問題だ
本に囲まれて…
移住者のコミュニティ
猫の手クラブの人々
銀髪のスキー仲間
大晦日家族
オンライン階級
多拠点居住
免許証返上はいつ?
クルマ道楽
おふたりさまからおひとりさま
大好きな北杜で最期まで
おひとりさまの最期



上野千鶴子
1948年富山県生まれ。
社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。女性学およびジェンダー研究の第一人者。京都大学在学中はワンダーフォーゲル部に所属。
約20年前に山梨県内八ヶ岳南麓に家を建て、現在は東京と山梨の二拠点生活を過ごしている。
おもな著書に『近代家族の成立と終焉』(岩波書店)、『おひとりさまの老後』(文藝春秋)(『最期まで在宅おひとりさまで機嫌よく』(中央公論新社)などがあるが、プライベートな暮らしを綴ったエッセイ集は本書が初めて。

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