面影 book&craft

園芸家12カ月 − 新装版

販売価格 価格 ¥770 通常価格 単価  あたり 

税込 配送料は購入手続き時に計算されます。

園芸家12ヶ月 − 新装版 / 著者・カレル・チャペック、訳・小松太郎 / 中公文庫


われわれ園芸家は未来に生きているのだ――。草花をこよなく愛したチェコの作家、カレル・チャペックが描く、園芸愛好家の幸福な熱狂に満ちた一年。その軽妙な筆致で世界中の読者を魅了し続ける名エッセイを、著者生誕130年を記念し、新装版として刊行した一冊です。


第二次世界大戦前のチェコ文学が最も繁栄した20年間に活躍した劇作家のカレル・チャペック氏。英語版のこちらの本が出版されたのが1929年だそうなので、原書(チェコ)版はおそらく一年前かその辺りの時期になるかと思います。

写真や絵、愛犬家でもあり、昆虫採集などといったように多趣味だった氏が綴る園芸エッセイは本当に園芸が好きであることが伝わってくる文章になっています。

園芸と一言で言ってしまえばそれでですが、それは一日一日の積み重ねからなるもので、そう易々とはいきません。そんな様子は冒頭の『庭をつくるには』で語られています。


この12ヶ月の断片をまとめた本書を通して、物事を洞察するカレル・チャペックの眼差しは、劇作家故に時にユーモアや皮肉を用いて面白おかしく書いている部分はありますが、どれも愛情が込められているということが分かってきます。


自身の園芸活動をアマチュアと言っていますが、『素人』を意味するアマチュアという言葉の本当の意味には、『愛好者』という意味合いが含まれています。


愛着を持って何かに取り組んでいく姿勢を気づかせてくれる一冊です。



カレル・チャペック

Karel Čapek 一八九〇年、東ボヘミアの小さな町マレー・スパトニョビツで生まれる。兄ヨゼフは特異な画家・詩人として知られ、カレルの生涯の協力者であった。十四、五歳頃から散文や詩の創作を発表し、プラハの大学で哲学を学んだ。第一次大戦後、チェコ「第一共和国」時代にジャーナリズム・文壇で活躍し、国民演劇運動を推進。一九三八年、プラハで死去。

x