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すぐそばの工芸

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すぐそばの工芸 / 著者・三谷龍二 / 講談社


 

手仕事が導くもの



家で使用するもの、特に器などは自分たちの目で見て家庭に迎え入れるのかをしっかりと吟味したいものです。とはいっても誰かからの贈り物も無碍に断ることもできないので、どうしても理想と現実は異なってくるものの、結局は自然淘汰されていき、よく使うものはやっぱり自分で選んだものなのです。

では、どういったものを選んでいるのかというと、『手触り感』があるものなんだと思います。それは、実際に触れた感触を味わえる素材としての『手触り』ということも含まれますし、目で視た時に感じる質感としての『手触り』という意味も含まれます。こうしたものは、本書『すぐそばの工芸』でも著者の三谷さんが語られているように、次第に親密性が増していき、身体感覚の延長線にあるものへと昇華していくということが実体験を通じて感じ取ることができるはずです。

是非改めて自分の愛着が湧いているものは、どういった要素が肝になっているのかを考えてみてください。


そんな時のお供になる一冊が本書『すぐそばの工芸』です。

著者みずから手を動かし、創作活動を行なっている木工作家の三谷龍二さん。作り手としての経験に裏打ちされた文章で、生活工芸――私たちの暮らしによりそう器について考えています。生活工芸の持つ性質や特徴を9つのキーワードで論考、ときには他の作家たちに取材・対談し、生活工芸の輪郭が浮き彫りにする一冊です。


一冊を読み終わった頃には、自分の身の回りにあるものを今一度吟味してみたくなるようなきっかけを与えてくれるはずです。




<目次>
1 親密なるもの
2 素材感覚
3 弱さ
4 へなちょこ工芸―対談 冨永淳×三谷龍二
5 誰かの暮らしに繋がっている
6 自然の声―対談 ハタノワタル×三谷龍二
7 幾何学のイコン
8 写し―対談 山本亮平×三谷龍二
9 作品、その背景―対談 内田鋼一×三谷龍二
結びにかえて―外から見た日本の工芸 謝小曼×三谷龍二



三谷龍二
1952年福井市生まれ。1981年松本市に工房PERSONA STUDIOを設立。陶磁器のような普段使いの木の器を作り、それまで家具中心だった木工に、新たな分野を開く。また、漆では赤と黒の伝統色に「白漆」を加え、現代の暮らしに合う漆器の世界を作る。1985年より「クラフトフェアまつもと」「工芸の五月」(松本市)発足より運営に参加。2011年松本市内にギャラリー10cmを開店。店の建つ通りで「六九クラフトストリート」を企画するなど、「工芸と暮らしを結ぶ」活動を続ける

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