風邪とごはん―ひく前ひいたひいた後 / 著者・渡辺有子 / 筑摩書房
医食同源
風邪とごはん。このタイトルに一目で惹かれました。
というのも、ここ最近は我が家の小さなボーヤが保育園からちょっとした鼻風邪やら熱風邪やらをもらってきてしまうので、その看病などでここ数年前の時よりも風邪というものがとても身近な存在になっているからです。
風邪の詳しいメカニズムなどは専門の方たちに任せるとして、ウイルスとか細菌というものは世の中の至る所に存在していて、日常的に体の中を出たり入ったりしているものだと思います。そして自分の免疫力や疲れが溜まっている時、つまり弱っている時にそれらのウイルスや細菌が悪さをし出すと考えられます。
除菌や殺菌などは限度があるしならば、そもそも自分の体の免疫力を高めて風邪の発症するきっかけを無くしてしまえば良いのではと最近は思っています。ボーヤの場合は特にそうで、風邪をもらってくるのは当たり前だからそれを長引かせないような基礎的な体や体力を一緒に作っていくことが大切なように思えるのです。
さて、私たちの体を作るものは何でしょうか。
そうです。食事、ごはんです。
本書はそんな風邪とごはんをテーマに、風邪をひく前、ひいた時、ひいた後にフォーカスを当てたレシピ集になっています。風邪だけではなく料理家の渡辺有子さんが少し元気のない方に作ってあげたいレシピになってます。もちろん普通の体の状態の時でもOKです。『風邪をひきそうなときのレシピ』、『本格的になっちゃったときのレシピ』、『回復してきたときのレシピ』、『スタミナをつけたいときのレシピ』、『予防のためのレシピ』といったような章立てでレシピがまとめられているのも面白いポイントです。
医食同源。この言葉が染み渡る一冊となっています。
<目次>
風邪ひきそうなときのレシピ(野菜スープ;鶏団子鍋 ほか)
本格的になっちゃったときのレシピ(しらすとおかかのおかゆ;玄米茶がゆ ほか)
回復してきたときのレシピ(白身魚の梅蒸し;煮魚と煮豆腐 ほか)
スタミナをつけたいときのレシピ(シュニッツェル;ステーキフリット ほか)
予防のためのレシピ(ジンジャーエールの素;柚子果汁ジンジャー漬け ほか)
渡辺有子
雑誌や単行本を中心に活躍する料理家。野菜中心の素材の味を生かしたレシピと、どこか懐かしさを感じるシンプルな生活スタイルが、同世代を中心に共感を呼んでいる。