整体対話読本 こどもと整体 / 著者・川﨑智子 / 土曜社
フラットな目で自分もこどもも「観察」する
整体指導者として「と整体」を主宰する川﨑智子さんによる整体対話読本シリーズ第三弾。「ある」「お金の話」に続く今作は「こどもと整体」。
整体や体の運動をとおして体や心にまつわる様々な機微を「観察者」の目線で捉える川﨑さんの言葉は、私にとっては「説得力がある」というより「腹落ちして安心する」という感覚が近いかもしれません。
これまでの整体対話読本シリーズを読んできましたが、現在1歳半の息子を絶賛子育て中の私にとって、三作目の「こどもと整体」は発売が楽しみでなりませんでした。
私と同じように子育て真っ最中の方、整体の視点からこどもの世界をのぞいて自分を振り返ってみたい方、保育に携わっている方にとてもおすすめです。
離乳食、夜泣き、イヤイヤ期、トイレトレーニング…、子供との生活も子供にまつわる悩みも成長に合わせて日々変わっていきます。
そのたびに検索しては「どう対処したらいいか」という方法論と解決策を探しがちですが、そもそも「わからない」という前提で子供と向き合ってみる。それから目の前の子供の様子をしっかりと見ること。
本書を読んでいると、一歩引いた距離で自分と子供との世界をひとつの全体として捉えてみる目を私たちが養っていくことが必要なのだな、と気づきます。
生きることも、子供を育てることも、ぜーんぶ練習。
ただ諦めないで、前向きな可能性をもって、自分と他者と関わり続けていく。
それが人生だよね、と言われているような気になります。
目からウロコな視点や言葉ばかりで、日々の生活に少しお疲れな方には光明を得るようにも感じられるかもしれません。
手元に置いて、何度でも読み返したくなる本です。
<目次>
みんなこどもだった
不足と満足
躾のお話
こどもと遊び
休息と眠り
こどもの時間
こどもの終わり
こどもと思春期
こどもと愉気
*
保育者という職業
川﨑 智子
1970年5月5日宮崎県生まれ。不調をきっかけに出会った野口整体により体の全感覚が一致した自覚が生まれ、自由になる。気を独学。2005年より整体活動開始。整体指導者として、「と整体」を主宰。