バスクの修道女 日々の献立 / 著者・丸山久美 / グラフィック社
読むレシピ
本書は、料理家の丸山久美さんが1986年から14年間スペイン・マドリードに住んでいた頃にバスクの修道女から教わったレシピを中心に、これまで訪れた修道院や文献からの料理も交えて日本でも作りやすいようにアレンジを加えた日々の献立が紹介された一冊です。
横長の判型にずっしり383ページとレシピ本にしては異彩を放つ本書。
面影では開店当初から並べていますが、これがよく売れるのです。
巻頭ページには丸山久美さんによる修道院や修道院の食事にまつわる基本的な解説が書かれ、修道女の1日やどんな食事をしているのかがわかります。
そのあとに春夏秋冬の季節ごとの日々の献立がたっぷりと紹介されているのですが、面白いのが、料理写真とレシピのテキストが分かれているところ。
始めに写真集のように料理の写真が並び、そのあとにレシピのテキストが続くのですが、テキストだけでまとまっているデザインが海外のレシピブックを思わせます。
また、たくさん挿入された修道院や食材にまつわるコラムもあわせるとなかなか読み応えがあり、まさに「読むレシピ」本というかんじ。
レシピ自体はいわゆる西洋料理で、西洋野菜やオリーブオイル、スパイス、チーズなどがメインですが、工程自体はシンプルで食材も身近で調達できるものばかりなのでハードルの高さは感じません。
むしろ、普段作らないような料理ばかりで作ってみたい欲が掻き立てられます。
手元に置いておきたい気持ちがなんとなくわかる一冊。
旅気分も味わえるレシピ本です。
台所に一冊、いかがでしょうか。
目次
春の献立
四旬節の食事
復活祭の食事
夏の献立
秋の献立
冬の献立
丸山久美
料理家。スペイン家庭料理教室「mi mesa」主催。アメリカへ留学後、ツアーコンダクターとして世界各国を廻る。1986年からスペイン・マドリードに14年在住。家庭料理をベースにしたスペイン料理を習得しながら修道院を巡り、修道女たちから料理を学ぶ。