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幕末日本探訪記

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幕末日本探訪記 / 著者・ロバート・フォーチュン、翻訳・三宅 馨 / 講談社


 

外から見て考える



2015年から2020年まで北欧のクリエイターにインタビューしたマガジンa quiet dayを制作していたこともあって北欧でできた友達のデザイナーやクリエイターたちを連れて東京をアテンドして回ることが多くなりました。時には東京を離れて工芸の産地などが多く点在している福井をレンタカーを借りて一緒にインスピレーショントリップに連れ出したりと、今から考えるととても貴重な時間を過ごさせてもらったなと思い起こされるのです。

彼ら彼女らと一緒にどこかに出向いたり、それが例えいつもの馴染みのコーヒーショップとて、とても新鮮なものへと変わってきます。生活文化の違いが良いギャップとしてお互いに気づきが生まれそれをシェアし合う時間というのは誰もが簡単にできることではありません。私たちが普段見過ごしていることに大きな驚きを見つけている様を見るとこちらもとても大切な何かを手に入れたような気になるのです。まさしく日常に出会い直すそんな表現がしっくりくるのです。


さて、本書『幕末日本探訪記』はプラントハンターとして世界的な活躍をしたイギリスのロバート・フォーチュンが植物採集のため幕末の長崎、江戸、北京などを歴訪した様子を事細かにまとめた探訪記になっています。団子坂や染井村の植木市など各地で珍しい園芸植物を手に入れるだけでなく、茶店や農家の庭先、宿泊先の寺院で庶民の暮らしぶりを自ら体験。日本の文化や社会を暖かな目で観察する一方、桜田門外の変、英国公使館襲撃事件や生麦事件など生々しい歴史的な出来事の見聞をも記述しています。


幕末という激動の変化の時代の日本人の生活習慣を外からの視点で覗き見られる一冊です。



<目次>

日本上陸―長崎遊覧
貿易港としての評価―横浜見物
江戸から二四マイル―神奈川の宿場風景
オールコック公使の招き―神奈川から江戸へ
大老の暗殺―大君の都
英国公使館の火事―江戸の近郊
染井村の壮観―植物さがし
隅田川界隈―浅草寺参詣
ワード氏の保護箱―江戸から神奈川へ
天然の美―瀬戸内海の風光〔ほか〕




ロバート・フォーチュン
1812年英国スコットランドに生まれる。エディンバラ王立植物園の園丁を経てロンドン園芸協会へ。後、英国東インド会社の依頼で中国からインドに茶の木を移植して有名になる。キク、ラン、ユリなど東洋の代表的観賞植物も英国に紹介。1860年と61年訪日。1880年没。


三宅馨
1891年岡山県生まれ。1915年、東京帝国大学薬学科卒業。薬学博士。在学中は朝比奈泰彦博士に師事。卒業後、武田長兵衛商店(現武田薬品工業株式会社)に入店。医薬品研究製造の傍らベルリン大学留学。武田薬品工業副社長、会長、武田科学振興財団理事長を歴任。1969年没。

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