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アメリカン・マスターピース 戦後篇

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アメリカン・マスターピース 戦後篇 / 翻訳・柴田元幸 / スイッチ・パブリッシング




短篇小説の黄金時代




海外の小説にあまり馴染みがない。その理由の一つに登場人物の名前が言いなれない響きなのと、近しい響きなものがごっちゃになってしまい、自分が物語の中にあまり溶け込めていない感じがしてきて、気づいたらページを捲る指が止まってしまっているなんてことがしょっちゅうだった。

けれど、短編ならば話が別だ。本書『アメリカン・マスターピース 戦後篇』は短篇小説の黄金時代といわれた1950年代前後の傑作が一冊にまとまっている。

寝る前に読んでもよし、気持ちのいい朝に読んでもいい。そんな一冊。



“名作中の名作”でアメリカ文学史をたどる、シリーズ第3弾。


「アメリカン・マスターピース」シリーズを最初に構想した時点では、「古典篇」「準古典篇」の次は一気に「現代篇」と行くつもりでした。しかし、世界大戦終結直後の十数年をあらためて見てみると、時はまさにアメリカ短篇小説の黄金時代。シャーリイ・ジャクスン、サリンジャー、ナボコフ、オコナー、マラマッド……すぐれた書き手たちが、長篇と同じくらい――時にはそれ以上に――気合いを入れて短篇を書き、読者も気合いを入れて、かつ日常的に読んでいた時期の名作を集めたら、とうてい一冊ではカーヴァーやケリー・リンクまでたどり着けません。というわけで予定を変更し、「戦後篇」と題して1940年代後半~60年代前半の傑作短篇をまとめることにしました。水準としては「古典篇」「準古典篇」に一歩も引けを取らない、しかし明らかに違う時代の空気を伝えている短篇群を味わっていただけますように。


柴田元幸



収録作品

シャーリイ・ジャクスン「くじ」

J・D・サリンジャー「バナナフィッシュ日和」

ウラジーミル・ナボコフ「記号と象徴」

ポール・ボウルズ「あんたはあたしじゃない」

フラナリー・オコナー「善人はなかなかいない」

フィリップ・K・ディック「プリザビング・マシン」

ティリー・オルセン「あたしはここに立ってアイロンをかけていて」

ジェームズ・ボールドウィン「サニーのブルース」

ジャック・フィニイ「愛の手紙」

バーナード・マラマッド「白痴が先」



柴田元幸
1954年生まれ。米文学者、東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、ブライアン・エヴンソンなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。2017年、翻訳の業績により早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。現在、文芸誌『MONKEY』の編集長を務めている

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