面影 book&craft

アァルトの椅子と小さな家

販売価格 価格 ¥935 通常価格 単価  あたり 

税込 配送料は購入手続き時に計算されます。

アァルトの椅子と小さな家 / 著者・堀井和子 / 河出書房新社




旅の流儀





ホテルのビュッフェスタイルの朝食が好きだ。好きだからといって自分の行きたい時にそれにありつけないことが、またそれを好きにさせてくれる。海外に滞在した時にほとんどがAirbnbや知り合いの家に泊めてもらうことが多かったので、やぱりそこで温かな朝食にありつけないもどかしさをどこかで感じていたように思う。

こうもホテルの朝食が好きになったきっかけというのは旅の前日にあった。当時、成田国際空港が日本の国際線の旅の玄関口になっていた頃、ヨーロッパ便は午前中に出発の便がほとんどだったので都内から出発当日に向かうためには4時起きがやむを得ない状況だった。旅も慣れてきた頃、そうした時は前日に特に予定がなければ、終電の成田エクスプレスに乗り込み成田空港周辺のホテルで前泊することを思いついたのだ。我ながらの名案で朝の時間をゆっくり過ごすことでこれから待ち構えている旅を前泊をすることで特別なものへと昇華させれくれていた。

定宿はホテル日航成田。特段こだわりがなかったのだが、その周辺のホテルに色々と宿泊した感じ一番フィットした。格別だったのは朝食だ。和洋折衷色とりどりのご飯が所狭しとビュッフェスタイルで並ぶのは、旅の前の腹ごしらえにはもってこい。どんなにパンなどの別の料理をその前に食べたとしても、最後に締めの白米に明太子をたっぷり乗せて、焼き塩サバをかっ喰らうのが出発前の儀式として定番化していた。それらを何度も何度も繰り返すうちに、旅そのものよりも、その旅の前段階の朝食の儀式の方にワクワクしている自分がそこにいることに気がついたのだ。


さて、本書『アァルトの椅子と小さな家』を読んでいるとそうした自分なりの旅の流儀や儀式について少し語りたくなってしまう。というのも堀井さんのエッセイの内容が食、特に朝食に傾倒していることが文章の中で伺えるからだ。チーズはこれといったものが語られ、美味しいジャムを求める旅の描写、どれをとってもなぜか自分の中では朝食と結びついていく。きっと朝食が好きなのだろう。いい香りが漂ってくる文章だ。

コルビュジェの建てた家を訪ねてスイスへ。モダンなデザインのテキスタイルや家具をさがして北欧へ。とびきりの朝食と庭、家庭的な雰囲気を求めてフランスの田舎町の小さなホテルへ―。旅から帰って、お土産や美術館のチケット、お店のカードを無造作にテーブルに出しておけば、記憶の断片からエピソードがこぼれだす。いつもとは違う時間、気ままな旅のスタイルを綴る極上のイラスト&フォトエッセイ。


あなたの旅の流儀はなんですか。



<目次>

こんなホテルの朝食があったらいい
旅の荷物
朝のチーズ
銀のポットと銀のバターナイフ
ジャムを探し歩いて
バスク地方の薪焼きパン
ペリゴールの市場
ペリゴールのホテルの自家製パン
ニースの市場近くのお昼
お土産のキッチンクロス
ずっと探していた銀のポット
世界で一番好きなりんごケーキ
トナカイみたいなウェグナーの椅子
フィンランドの朝食
郵便博物館
ロシア料理店のジャムティー
ストックホルムの空港のお土産
暮らしの中のデザイン
Woolの魅力
ゆでたタラのデンマーク料理〔ほか〕




堀井和子
東京生まれ。上智大学フランス語学科卒業。料理好きが高じて料理スタイリストに。84年から3年間、ニューヨーク郊外に暮らす。帰国後はシンプルで気のきいたレシピや器、雑貨、旅など暮しまわりのものごとを紹介。写真、イラスト、エッセイをみずから手がけ、独自のスタイルを確立する。カゴなどの作品、商品の企画デザインも行う

 別のお支払い方法
x