著者:吉田篤弘 / 出版社:徳間書店
短くて、不思議な世界の物語が紡がれた24篇の短編集です。
たった5分で非日常へと誘われる物語と登場人物の描き方、余韻―。
喫茶店〈ゴーゴリ〉の甘くないケーキ。
世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。
映写技師にサンドイッチを届ける夜の配達人。
トランプから抜け出してきたジョーカー。
赤い林檎に囲まれて青いインクをつくる青年。
三人の年老いた泥棒。
空から落ちてきた天使。
終わりの風景が見える眼鏡──。
ベッドサイドに置いて、眠りにつく前に手にとりたい一冊です。
日常では味わえないようなちょっと非現実な物語は、忙しくぐるぐるしている戦闘モードな頭を箒でさっさと掃いて、空っぽにしてくれるような独特の余韻が残ります。
少しずつ、何度でも。
頭の中のスイッチを切り替えたいときに。