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未来をつくる言葉: わかりあえなさをつなぐために

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著者:ドミニク・チェン / 出版社:新潮社
※こちらの書籍は古本での販売です。

 こどもの誕生の瞬間に感得した、自らの死の予祝。自分の死後のために子に宛てて言葉を遺すという行為の中に、この名伏しがたい感情が結実することを知った。

それは死の向こう側にあって、決して自分では見ることのできない未来を生きる子に向けた祝福と共に抱く、持続する高揚だった。(p201「おわりとはじまりの時」より)

 

ドミニク・チェン著「未来を作る言葉−わかりあえなさをつなぐために−」は、人類が他の生物と大きく異なり持ち合わせている「言葉」を軸に、自己と他者、さらには社会や世界の間にある無意識的かつ言語化されていない感覚を“言葉”によってまとめられています。出版されたのも20201月と世界が未憎悪のパンデミックによってソーシャルディスタンスを強いられ、人と人とのコミュニケーションのあり方を改めて考えさせられた時期でした。

 

言葉が生まれると記憶が生まれ、そして時間が生まれる。

それと同時に言葉はその土地の世界を表現している。

言語や言葉の数だけ世界が存在し、それぞれが持つ世界(=環世界)に言葉を通して触れ合う会話。

 

生きていく上で当たり前としていた言葉のあり方や人や自然との関係性を改めて解きほぐしてくれる一冊です。

 

目次

 

はじまりと終わりの時

第一章 混じり合う言葉
未知なる「領土」と向き合う/言葉の環世界/サピア=ウオーフ仮説
言語が身体化される時/翻訳の不可能性/漢字とアルファベットの混交
言語の意識と無意識の言語/自然言語のハイブリッド

第二章 デジタルなバグ、身体のバグ
ゲーム言語との出会い/文学としてのゲーム世界「/バグ」の幻惑
コンピュータの「デバッグ」/身体的な「バグ」との遭遇
吃音とともに培(つちか)う思考/不可視の表現

第三章 世界を作る言語
詩の環世界哲学「/正反合(せいはんごう)」と体の「守破離(しゅはり)
パリからの「強制送還」/プトトン先生との出会い/非言語の表現世界へ

第四章 環世界を表現する
世界を標本化する/世界を編集する/描かれた手でもうひとつの手を描く
「自分だけのパターン」が顕(あらわ)れる/それぞれの環世界言語をつくる
クリエイティブ・コモンズの運動/こどもの世界の学び方

第五章 場をデザインする
場をプログラミングする/見知らぬ人々がケアを交わす場
親しみを醸成し、持続させる場「/場を作る方法」を作る/デジタルな筆跡を辿る
生命の時間を刻む/関係のプロクロニズム

第六章 関係性の哲学
人類学者としてのベイトソン/ナヴェンの祝祭に見えるもの
自然の本質へ近づくこと/関係性の言語/機械の情報と生命の情報
フィードバックが循環する/言語的なサイボーグ/生命のプロセスへ

第七章 開かれた生命
「人工知能」と「知能増幅」の歴史/使用するテクノロジーで知能が左右される「/計算」から「縁起」へ
「ありえたかもしれない生命」/「野生」のシステム
開かれた進化「/個」から「共」への軌跡/共生の論理/微生物との共生
共のリアリティに向かう

第八章 対話・共話(きょうわ)・メタローグ
メタローグの誕生/相手の視線を自分の中に住まわせる/言葉の喪失と獲得
関係性のなかの能力/関係性の環世界を描く/非生物学的関係の環世界
共話という形式/共話と対話「/私」の濃淡がゆらぐ
言葉の共有地(コモンズ)を求めて/弔いと祝いがつながる
世界そのものとの共話

第九章 「共に在る」ために
遺言の執筆プロセスを記録する/遺言に学ぶこと/祈りを遺すということ
重なり合う「最期の言葉」/無言の声に聴き入る「/共に在る」という感覚
共在と共話/果てしない共有地(コモンズ)/終わらない贈り物/未来をつくる言葉

おわりとはじまりの時